スマート構造




  スマート構造の定義はまだ確定されていないが,おおまかにはセンサーやアクチ

ュエーターを構造に取り付け(埋込みも可能),構造自体が欠陥の発見や治癒,振

動や最適形状への変化などの知的行為を行う構造物のことである.スマート構造の

中で,欠陥の自動認識は保守点検に手間がかかる航空宇宙機器や事故発生によって

大災害となる原子力プラント,高速道路,橋梁などの建築構造物,列車などの大量

輸送機器に対して経済性や安全性の観点から非常に有効である.また,繊維強化複

合材料では,破壊が非常に複雑であり,また非破壊検査が困難であるために工業製

品への適用が控えられている場合があるが,そのような機器への複合材料の適用を

可能とする新技術でもある.

  欠陥検出(診断型)スマート構造の開発には,いくつかの技術の複合が必要不可

欠である.必要な技術としては以下が揚げられる.



(1)破壊メカニズムの解明

      破壊過程がまったく不明では何を検出すればよいか不明である.まず第一に

    構造や材料の主要な破壊メカニズムを明らかにするか,またはグローバルな観

    点から破壊過程を評価する評価技術が必要不可欠である.



(2)センサー開発

      検出すべき目標が決定されていれば,センシング技術の選出は比較的容易で

   あるが,構造の周囲の環境や埋め込み,長期信頼性などの原因によって新たな

   センサー開発が必要となる場合が多い.当研究室では,光ファイバーセンサー,

  EL素子,電気ポテンシャル法などを研究している.



(3)頭脳開発

      センシング量から構造物の欠陥を認識する頭脳としてはニューラルネット

    ワークが有望であるが,教師信号の選択などで実構造物への適用に課題も多

    い.人工知能を用いて数種の信号から総合的に判断するなどの手法も今後検

    討される課題である.当研究室ではニューロの他に応答曲面と実験計画法を

  用いたヘルスモニタリングの頭脳開発を研究している.



(4)最適設計

      スマート構造ではセンサー配置や組み合わせなどの最適配置を行う必要が

    ある.また,将来的にはセンシングを考慮した最適構造形状などの技術も開

    発する必要がある.



(5)システムインテグレーション

      センサー・アクチュエータのすべてをアナログ配線することは構造の変更

  やメンテナンスの観点から不適当である.現実的にはEthernetなどのネット

  ワーク技術を利用することで1本の配線で分布型センサー・アクチュエータ

  が可能となる.詳細は講演概要参照PDFファイル表示



スマート構造概念図

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